「部屋が汚いのは分かっているけど、どうしても片付けられない」。いわゆる「汚部屋」の住人たちは、単にズボラや面倒くさがりというだけではない、様々な心理的な要因を抱えていることがあります。その「片付けられない」言い分の裏には、どのような心理が隠されているのでしょうか。よく聞かれるのが、「時間がない」「疲れている」という理由です。仕事や学業、育児などで忙しい日々を送っていると、帰宅後は疲れ果ててしまい、部屋を片付ける気力も体力も残っていない。週末も休息や他の用事で潰れてしまい、片付けは後回しになりがちです。これは一時的な状況であれば誰にでも起こりうることですが、慢性化すると汚部屋の原因となります。「もったいない」「まだ使える」という気持ちが強く、物を捨てられないという人もいます。特に、日本には「もったいない精神」が根付いていますが、これが過剰になると、明らかに不要な物まで手放せず、物がどんどん溜まっていきます。「いつか使うかもしれない」という未来への期待も、捨てる決断を鈍らせる要因です。また、「どこから手をつけていいか分からない」「完璧にやらないと気が済まない」という心理も、片付けを妨げる一因となります。部屋全体が散らかっていると、何から始めれば良いか分からず、途方に暮れてしまい、結局何も手につけられなくなります。完璧主義の傾向がある人は、中途半端に片付けるくらいならやらない方がましだ、と考えてしまい、結果的に汚部屋を放置してしまうことがあります。さらに、ストレスや精神的な不調が影響しているケースも少なくありません。仕事や人間関係でのストレス、失恋などのショック、あるいは軽いうつ状態などによって、意欲や気力が低下し、身の回りのことを整えるエネルギーが湧かなくなってしまうのです。汚部屋は、その人の心の状態を映し出す鏡のようなものかもしれません。単に「片付けなさい」と責めるのではなく、その背景にあるかもしれない心理的な要因にも目を向け、理解しようとすることが大切です。
汚部屋住人の言い分!片付けられない心理