今、日本全国で増加し続けている空き家問題。その深刻な一態様として「ゴミ屋敷化した空き家」が大きな懸念材料となっています。親から相続したものの、遠方に住んでいるために管理が行き届かず、不法投棄の標的になったり、生前の荷物がそのまま放置されたりしてゴミ屋敷化するケースが急増しているのです。こうした中、多くの自治体では空き家対策とゴミ屋敷対策を統合した補助金制度を設け、所有者に対して片付けの支援を行っています。この支援が注目されている理由は、ゴミが放置されたままの家は火災や放火の危険が高まるだけでなく、建物自体の劣化を早め、地域の不動産価値をも下げてしまうからです。空き家バンクへの登録や売却、あるいは解体を検討する際にも、中に溜まったゴミを処分することが大前提となります。しかし、家一軒分の荷物を処分するには、一般的に数十万円から、大規模なものでは百万円単位の費用がかかります。このコストが壁となり、多くの空き家が放置され続ける結果を招いています。そこで自治体は、空き家内の不用品を撤去するための費用を助成する制度を整え始めました。例えば、空き家を売却・賃貸するために清掃を行う場合、その費用の数割を補助するといった内容です。これにより、所有者は「重荷」であったゴミ屋敷を「資産」として再活用するきっかけを掴むことができます。また、相続人が不明な場合や、所有者に支払い能力がない場合でも、自治体が一旦費用を立て替えて清掃を行い、後から回収する、あるいは土地の公売によって充当するといった、より強力な措置を可能にする条例も増えています。ゴミ屋敷化した空き家の放置は、近隣住民にとってはいつ倒壊や火災が起きるかわからない爆弾を抱えているようなものです。補助金を活用して速やかに片付けが行われることは、所有者だけでなく地域住民全員の安心感に寄与します。今後、相続によって管理困難な家を引き継ぐ人がさらに増えることが予想される中、こうした補助金制度の認知度を高め、使いやすくしていくことが、美しい街並みと安全な住環境を守る鍵となります。もし、相続した実家がゴミ屋敷になっていてどうすればいいか悩んでいるのであれば、まずは「空き家対策補助金」の有無を確認してみてください。それは、放置された負の遺産を、前向きな新しい用途へと転換させるための第一歩になるはずです。自治体の支援を賢く使うことで、困難な片付けも現実的な解決策へと変わります。
空き家対策の一環として注目されるゴミ屋敷の片付け支援