かつての私の自室は、床が見えないどころか、何がどこにあるのかさえ全く把握できない絶望的な汚部屋でした。仕事の忙しさを理由に家事を後回しにし、日々のストレスを発散するためにネットでの衝動買いを繰り返した結果、部屋は物で溢れ、いつしか家に帰ること自体が苦痛になっていました。そんな私が断捨離を真剣に決意したのは、ある日、自分が最も大切にしていたはずの趣味の道具が、積み上がったゴミの下で無残に壊れているのを見つけた瞬間でした。その時、私は物を大切にしているつもりでいながら、実は無秩序な所有によってそれらを殺してしまっていることに気づき、激しい自己嫌悪に陥りました。片付けを開始した当初は、あまりの物量に目眩がし、何から手をつけていいか分からず途方に暮れましたが、私は自分に一つだけ、毎日必ず指定のゴミ袋一袋分は何らかの物を手放すというルールを課しました。最初は明らかなゴミから始まり、次第に、高価だったからという理由だけで執着していた着ない服や、いつか読もうと思っていた古本へと対象が広がっていきました。断捨離を進める中で、私を最も苦しめたのは、自分自身の優優不断さと向き合うことでした。物を捨てるという行為は、自分が過去に行った無駄な買い物の失敗を直視し、それを認める作業でもあります。しかし、その痛みを一つひとつ引き受けて手放していくうちに、不思議と心が軽くなっていくのを実感しました。床面積が広がるにつれ、私の思考も驚くほどクリアになっていきました。以前は探し物に費やしていた膨大な時間が、今では自分の好きなことに没頭する時間や、ゆっくりとお茶を飲む贅沢なひとときに変わりました。汚部屋という名の重荷を下ろしたことで、私は自分にとって何が本当に幸せなのかを、外部の刺激ではなく自分の内側の声で判断できるようになったのです。断捨離を終えた今の部屋には、私が本当に愛し、使い続けている物だけが整然と並んでいます。朝、目覚めた瞬間に視界に入る整った空間は、今日という一日を前向きに始めるための清々しいエネルギーを与えてくれます。汚部屋という暗いトンネルを抜け出した経験は、私に、物は少なくても心は豊かになれるという確信を与えてくれました。今もし、あなたが溢れる物に囲まれて息苦しさを感じているのなら、どうか勇気を出して、目の前の物を一つ手放してみてください。その先に待っているのは、想像もできないほど軽やかで、光に満ちた新しい自分の人生です。物は人生の主役ではなく、あなた自身を輝かせるための背景に過ぎないのですから。