体が動かない!病気や怪我が引き金に

予期せぬ病気や突然の怪我は、私たちの生活を一変させることがあります。体の自由が利かなくなり、これまで当たり前にできていたことができなくなる。こうした身体的な問題が、ゴミ屋敷化の直接的な「きっかけ」となるケースは少なくありません。例えば、骨折や大きな手術で長期入院を余儀なくされたり、退院後も自宅での安静が必要になったりした場合、部屋の片付けや掃除、ゴミ出しといった作業は困難になります。特に一人暮らしの場合、身の回りのことを手伝ってくれる人がいなければ、あっという間に部屋は荒れてしまいます。入院中に溜まった郵便物やチラシ、療養中に増えた薬の袋やティッシュペーパー、動けないためにデリバリーやコンビニ弁当に頼らざるを得なかった結果として増える容器ゴミ。これらが少しずつ蓄積し、回復して体が動かせるようになった頃には、どこから手をつけていいか分からないほどの状態になっていることもあります。また、病気や怪我は、身体的な苦痛だけでなく、精神的なダメージも伴います。痛みや不自由さからくるストレス、将来への不安、社会からの孤立感などが、気力や意欲を低下させます。たとえ体が動かせるようになったとしても、「片付けよう」という気持ちが湧いてこない、あるいは億劫に感じてしまうことがあるのです。うつ病などの精神疾患を併発してしまうケースもあります。慢性的な疾患を抱えている場合も同様です。持病の悪化で体調が不安定になったり、治療の副作用でだるさが続いたりすると、家事をこなすのが難しくなります。痛みをこらえながら無理に片付けようとすると、かえって体調を悪化させてしまうことも考えられます。病気や怪我という不可抗力によって、意図せずゴミ屋敷状態に陥ってしまうことは、誰にでも起こりうることです。周囲の人は、単に「だらしない」と決めつけるのではなく、その背景にある身体的な困難や精神的な苦痛に理解を示し、必要なサポートを提供することが重要になります。

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Posted by L9rHh